Universal Progress 自立生活センターの活動についてレポートです。
センター設立後の大きな活動は2つで、①Asia Try、②介助プロジェクトです。
スピーチをしているバヤールさん |
今年は、6月26日から7月5日にかけて、Asia Try in Mongolia 2011という活動を行いました。
今のモンゴルの社会の中では、障害者に対するさまざまな偏見があるため、障害者の基本的な人権まで侵害され、自らの考え方や希望で自由に生きることができません。どこへ行っても、交通手段や施設などのインフラ整備面での不便さがあります。また、介助制度がないため、家族介助に頼るしかなく、家族の都合によって生活が左右されているのが現状です。
これらの問題はたくさんのアジアの国々が直面していることであり、モンゴルだけではなく他の国でも、障害者が自立生活できるようにするための自立運動が、各国の障害当事者のリーダーたちによって積極的に行われています。
今年のTRYは、このように同じ志を持っているアジアの仲間たちと一緒に、モンゴルの社会を変えていこうということで開催しました。
インタビューをうけるバヤールさん |
現在モンゴルにおいて、介助制度はまだ整っていません。そこで、これまで私たちの自立生活センターは、何度も政府機関と話し合いを持ちました。その中で、今年の8月1日から、モデル事業として9人の障害者に対して介助のお金が出るプロジェクトが始まります。ただ、このプロジェクトの中で、1人に対して支払われる介助のお金は小さなもので、全介助が必要な障害者には全く足りません。そこで私たちは、9人の障害者を軽度の障害者6人と重度障害者3人に分け、6人の介助のお金を3人の重度障害者の介助のお金にまわしたり、重度障害者のエンパワメントのために使いたいと考えています。その中で、ILPやピアカウンセリングを行いたいと考えています。
そして、1年間の実績を作り、行政機関とこれからも話し合いを続ける材料とし、1日でも早くモンゴルに介助制度を作りたいと考えています。
大きな活動はこの2つですが、その他にも市民へ向けたアピール活動や、議員との話し合いや関係作り、他の障害者団体との交流なども頻繁におこなっています。
活動をおこなっていく中で、健常者スタッフがいないことや事務所のお金のことなど、さまざまな問題はありますが、日本を始め、さまざまな国の仲間からのアドバイスを受けて、1つずつ解決し、これからもずっと長く活動を続けるために、スタッフ一丸となってがんばっていこうと思っています。